永 代 経

【永代供養】
  一つには、亡き人の面倒を見てあげることを永代供養というようで
 すが、正しくは供養という言葉から、お供えをし法要を行うという意
 味ではないでしょうか。
  もう一つには、お墓を無縁墓にしないこと、亡き人のお骨を永代に
 わたって保管するという意味でも使われているようです。

【永代経】
  浄土真宗では、昔から永代経のご懇志を納めるという伝統がありま
 す。
  永代経とは、亡き人のご命日に、また永代経法要の日に、本堂で読
 まれるお経のことです。ご命日にお経がお勤めになるのですから、確
 かにご法事(年忌法要だけでなく、毎年の祥月法要)を行うという意
 味があります。浄土真宗のご法事は、亡き人(仏になられた方)が今
 生きている私に阿弥陀さまのお救いを伝えて下さるご縁ですから、亡
 き人の面倒をお寺に任せるという意味ではありません。仏さまになら
 れた亡き人のお心をいただく、尊いお経なのです。
  そして、子孫だけでなく、血縁のない次の代、次の次の代の方にも
 、亡き人のお心が届くようにと、毎日永代経法要・永代経法座が営ま
 れるのです。

【ご縁を喜ぶ】
  ある方が、「永代経を納めましたので、お参りに行かなくても、ち
 ゃんとお経をあげて下さるので安心です。」と話されましたが、これ
 では永代経も台無しです。み教えを私に伝えて下さったご先祖の遺徳
 を偲び、なによりも、私自身が教えを聞かしていただき、よろこびを
 子孫に伝えていく。これでこそ永代経といえるのです。
  一方、ご主人を亡くし、なかなか立ち直ることのできなかったおば
 あちゃんが、「なんだか亡くなったおじいさんに、お参りさせてもら
 っているみたいだね」とおっしゃっていました。「死んだら終わり」
 と落胆していたおばあちゃんが、「阿弥陀様の浄土に生まれたおじい
 さんが仏となって、悲しむ私を支え、阿弥陀様の教えに導いて下さっ
 た」と、頂いたのです。

【永代経とは、亡き人が仏として活躍される世界】
  「永代経」をご希望の方は、ご進納の日に開闢法要(最初のお経)
 を本堂でお勤めしますので、ご参拝日時をお寺にご相談下さい。永代
 経には、お経がお勤まりになるご本堂が永代に続くようにという意味
 も含まれており、お寺はそのためにもご懇志を使用させて頂いている
 ことを付記いたします。